
学校で毎日目にしている黒板。
当たり前のように存在していますが、「なぜ?」と不思議に思ったことはありませんか?
なぜ黒板は緑色なのか?チョークで書ける仕組みは?そして、あの耳障りな「キーッ」という音の正体は?
この記事では、そんな黒板にまつわる素朴な疑問を、科学的・歴史的な視点から徹底的に解明していきます。
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目次
なぜ黒板は黒色から緑色へ変わったのか
昔の黒板は本当に黒い板でしたが、時代の変化とともに緑色が主流となりました。その背景には、教育現場での長時間の使用に耐えるための重要な理由があります。どうして色が緑に変わったのか、その秘密を教えます。
緑色が目に優しい理由と科学的根拠
緑色が目に優しい最大の理由は、人間の目が最もリラックスする色だからです。
緑色の光は、人間の目の網膜にある光受容体(錐体細胞)が最も効率よく反応する波長帯に近いため、ピントを合わせるための目の筋肉への負担が少ないです。これにより、長時間の授業でも目の疲れを軽減できます。
また、緑は自然界に多く存在する色であるため、心理的にも安心感やリラックス効果をもたらし、集中力を維持しやすいというメリットもあります。
チョークの粉が最も映える色
研究により、白いチョークと組み合わせた場合、黒い黒板よりも緑色の黒板の方が、文字がより鮮明に見えることが示されています。
黒と白のコントラストは非常に強いため、長時間見続けると目に強い刺激を与えてしまいます。一方、緑色の黒板は、白や黄色のチョークと適度なコントラストを生み出し、文字をはっきりと見せつつも目に優しいバランスを保ちます。この最適なコントラストにより、生徒は黒板の文字を楽に読み取ることができ、目の疲労を軽減できます。
さらに、緑色は光の反射が少なく、黒板の表面がギラつくのを抑える効果もあるため、教室のどの席からでも文字が見えやすいという利点もあります。
黒板の色は生徒の目の健康と学習効果を最大限に引き出すために、黒から緑へと変化しました。
関連記事:どうして黒板は緑色なのか?
チョークが黒板をひっかく不快な音の正体
授業中、先生がチョークで黒板に字を書くとき、キーッという不快な音がすることがありますよね。あのゾワゾワするような音の正体は、一体何なのか解説します。
あの音は「摩擦振動」が原因
あの不快な音の正体は、摩擦振動という現象によって引き起こされます。
チョークを黒板に押し付けて滑らせると、チョークと黒板の間で細かい摩擦が起きます。この摩擦の力が一定ではないため、チョークが小刻みに振動し、この振動が音として空気中を伝わっていくのです。
例えるなら、バイオリンの弓を弦にこすりつけたときに音が出るのと同じ原理です。チョークが黒板のざらざらした表面を引っかくことで、特定の振動が生まれ、それが耳に届く「キーン」という不快な音になるのです。
なぜ不快に感じるのか?脳科学的なアプローチ
なぜ人はあの音を不快に感じるのでしょうか。それは、人間の脳が特定の音の周波数に反応するようにできているからです。
脳科学の研究によると、チョークのひっかく音には、人間の耳が特に敏感に感じる高周波が多く含まれています。この音の周波数は、赤ちゃんの泣き声や悲鳴など、人間が本能的に危険だと感じる音と似ていると言われています。
数学者が黒板を好む理由

数学者たちが黒板を愛用するのには、単なる習慣以上の深い理由があります。デジタル技術が進んだ今でも、黒板は彼らにとって思考を整理し、共有するための欠かせないツールです。
思考のプロセスを可視化する重要性
数学者にとって、数式や図形はただの記号ではなく、思考そのものです。黒板は、この思考のプロセスを可視化するのに最適な道具です。紙の上ではスペースが限られてしまいますが、黒板ならどんどん書き足したり、消したり、書き直したりできます。
複雑な問題を解くとき、頭の中だけで考えるのは大変です。しかし、黒板に次々と数式を書き出していくことで、どこでつまずいているのか、どの方向へ進むべきかが一目でわかります。これは、まるで頭の中を「見える化」しているようなものです。
全体像を俯瞰できる広大なキャンバス
黒板の最大の魅力の一つは、その広さです。壁一面に広がる大きな黒板は、全体像を俯瞰できる広大なキャンバスとなります。
一つの問題を解くには、いくつかの小さなステップが必要です。黒板を使えば、それぞれのステップを並べて書くことができるので、問題全体の流れや論理的なつながりを把握しやすくなります。研究仲間との議論では、お互いのアイデアを同時に書き込み、全体を見渡しながら新しい視点を見つけ出すこともできます。
黒板は、単に計算する場所ではなく、数学者たちが自由に思考を巡らせ、アイデアを形にし、そして互いに深く対話するための特別な場所なのです。
チョークはなぜ黒板に書けるのか?
チョークは、黒板に字や絵を簡単に書くことができる不思議な道具です。その理由は、チョークと黒板、両方の特別な性質にあります。
チョークと黒板の表面のヒミツ
チョークが黒板に書ける秘密は、両方の表面がザラザラしているからです。
チョークで黒板に字を書くとき、チョークの粉の粒が、黒板の表面にある小さな凹凸に引っかかり、くっつきます。書くときに、チョークが少しずつ削られて、その削れた粉が黒板に残ることで、文字や線になるのです。
もし黒板がツルツルだったら、チョークの粉はくっつくことができず、文字を書くことはできません。また、チョークが硬すぎても、粉が削れず、書くことができなくなってしまいます。
このザラザラの表面をキープするために、黒板消しや雑巾での水拭きは優しく行うことが長く書きやすい黒板をキープするコツです。
現代でも学校はなぜ黒板なのか?その教育的メリット
現代の教室でも黒板が使われ続けているのには、デジタル機器にはない教育的なメリットがあるからです。テクノロジーが進化しても、黒板が持つアナログな良さは、今も教育現場で重要な役割を果たしています。
集中力を高める効果
黒板は、生徒の集中力を高めるのに役立ちます。
ホワイトボードやプロジェクターは光を発するため、長時間見ていると目が疲れやすく、注意が散漫になることがあります。一方、黒板は光を反射するだけなので、目が疲れにくく、生徒は文字や図に集中しやすいのです。
コミュニケーションを活発にする
黒板は、先生と生徒、そして生徒同士のコミュニケーションを活発にするツールです。
先生が黒板の前に立ち、直接書いたり消したりすることで、授業は一方的な情報伝達ではなく、対話的なプロセスになります。生徒は、わからない部分があればすぐに質問したり、前に出て自分の考えを書き加えたりすることができます。
また、グループワークで黒板を使う場合、複数の生徒が同時にアイデアを書き出し、共有することができます。これは、みんなで一つの大きなキャンバスを使いながら、協力して問題を解決していく貴重な体験となります。黒板は、生徒たちが互いに意見を交わし、学び合うためのオープンな空間を作り出すのです。
このように、黒板はただ情報を映し出すだけでなく、生徒の集中力を高め、対話を通じて学びを深めるための重要な役割を担っているのです。
まとめ
今回は黒板に関する疑問を解消すべく、様々な観点から解説しました。黒板が単なる道具ではなく、学習効果を高めるための様々な工夫が凝らされた、奥深いツールであることを学ぶきっかけになったのではないでしょうか。
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