黒板の思い出

こんにちは。ライターの清水です。

先日の学生さん向けのイベントに参加して……。
黒板にまつわる思い出をひとつ思い出しました。
というわけで、今日は私の昔話にお付き合いください。

私の黒板の思い出を語る前に、少しだけ当時の事情を説明させてください。
私は田舎育ちのため、進学した高校の普通科は色々な進路を考えている子がいる学校でした。
就職、専門学校、大学……。

そのため2年生から大学を目指す子は進学クラスとして別の括りにされます。
学校の中でも勉強ができる子が選択するクラスでした。

私は大学希望のため進学クラスへ進みました。
進学クラス以外にも友人はいましたし、みんないい子でした。仲が悪かった訳ではないのですが……どうもクラス対抗になると、どこのクラスもこぞって進学クラスを敵対視してきました。…なんとなくわかりますよね。

最後の文化祭、クラス対抗でしたが私たちは優勝をしました。
進学クラスの優勝は珍しいことではなく、むしろ恒例でした。

例年、最後は他の学年は早く教室に戻り、3年生だけで盛り上がるのですが、私達は他のクラスから風当たりがあまりにも厳しく、会場であった体育館を早々に去りました。

随分と前置きが長くなってしまいましたが…ここからが本題です。

優勝したものの、スッキリとしない、やるせない気持ちで担任を含めた全員がクラスに戻った時です。

大きな黒板一面にカラフルなチョークを使って
『優勝おめでとう』と書いてありました。

文字だけではなくイラストも凝っていて…数分で出来上がるものではないことは明白でした。

実はこれ、誰が書いたか分かりません。

副担任の先生だと思うのですが、先生は頑なに否定をしていました。

とにかく私達は感動と歓喜に包まれました。

当時は写真が今ほど身近なものではなかったため、写真はありません。
正直、何が書いてあったのか思い出せません。

それでも、あの黒板を見た時の感動は今も覚えています。
そして、今でも思い出話として出てくることがあります。

黒板の良さは書いたものが消してしまえる事だと思います。
消えてしまうのがわかっているからこそ、
記憶に残るのではないかと。

あなたが今、目にしているその黒板は、今は何も書いていなくても誰かを励ましたり応援してきた歴史がある黒板かもしれません。

以上です。昔話にお付き合いいただきありがとうございました。

 

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